4.
ユラの仕事が終わる頃に店に向かう。街のケバケバしい騒々しいネオンは消えていた。空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。ビルの窓からところどころ光が漏れていた。真っ暗じゃあなくても薄暗さは、少しはこの街の汚さを隠してくれる。道端に転がっているヤツは……げ、死体か。明日、店に運ばれてくるかね。もう腐ってたらそのまま処分場に持っていかれるかも?焼かれてお湯を温めて肥料になるのかも。
「ありがとね。」
ユラはそっけなく言う。本当にありがとうって思っているのだろうか?ユラは女の子っぽいヤツだから、夜道とか苦手そうだけど。
「もうちょっと最後の方にしたら良かったかな。順番。」
まぁ、おかげで区役所とかに寄れた訳だけど。
「何してたの?」
「家でぼーっとしてたよ。寝てた。」
なぜか小さなウソをついていた。照れ臭いからかな。頭をポリポリとかきながら、左手は上着のポケットに突っ込む。
「ふーん。どっち?」
上目遣いで下から覗き込んでくる。ああ、やっぱりこういう表情がたまらなく好き。
「私、結婚とかしないからね。」
「ええ!?」
……いかん。また高い声が出た。声に、喉に引っ張られてカカトも浮かんだ。いかん。少し間をおいて切り返す。
「……でもさ。オレ達、もう、ずいぶん一緒に住んでいるからさ。そろそろ。」
「別に形にコダワラなくていいじゃん。」
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- 11「精神が、魂も空に上っていくとするならば、もうあの街に届いているかも。」
- 10「捨てたモノの中に宝物が混じっているように、この街の人間にもチャンスが残されている。」
- 9「 私達の心には闇がある。」
- 8「一度は否定しても、胸の中に湧き上がってくる感情が、その否定を否定する。」
- 7「同じく肉は食べられないヤツでも、今度は普通のベジタリアンが現れた。」
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- 5「空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。」
- 4「区役所についた時は夜の礼拝の時間だったみたいで、その場にいる人らは皆して床にひざまずいていた。」
- 3「ユラはオレを三畳にも満たない部屋に招き入れた。」
- 2「今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。」
- 1「天使様達がこの世界を変えようと宇宙で闘われたらしい。」
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