5.
オレの仕事はもっぱら解体なんだけど、愛嬌があるとかでたまにレジ番をさせられる。本当はやなんだけどね。可愛い声を出して誘いだし、店の裏でキュっと締めて血抜きして、バラしてダマしてあなたの食卓へ。なんつって。
たまにレジに立つと変な客がくる。陳列台の前で肉を睨みつけ、脂汗を流して息も荒い。肉が好きなのかな?と思って見ていると、何も買わないで帰ってしまう。変な客だと思ったけど、それが二度、三度となると気になる。先輩に聞いてみる。
「ああ、あいつは人の8倍くらい肉が好きだけど、アレルギーで肉は食えないヤツなんだ。」
「へぇ。だから買わないんすか。」
「今度来たら見てみ。【略】。ぐふふ。」
「はぁ?」
遠目にじっと確認してみると……【略】どうやら食欲だけじゃあなくて【略】肉は食べられないのに、そのパワーはどこから?豆かな?豆はすごいらしい。何か話でもしてみようとレジから出ると、さっと店から出て行った。なんなんだあいつわ。
同じく肉は食べられないヤツでも、今度は普通のベジタリアンが現れた。区役所で会ったアイツだ。
「あいにくトリ肉は扱ってませんぜ。ダンナ。」
「仮にあったとしても、鶏肉も食べないんだ。」
「じゃあ、お魚は?」
「魚も食べないよ。」
「へぇ。じゃあ今日は何をお探しで?モツですか?」
野菜以外食わないっつーの!みたいなツッコミを期待してバカみたいな質問を続けてみたけど、慣れているのか、ベジタリアンは特に気にする様子もなく、するっと話題を変えた。
2014年2月14日金曜日
6「愛する愛さないってのは血の繋がりとかじゃないでしょ!」
その後は、ナシのつぶてだった。いつも何かワケの分からないことをまくし立てられるように早口めに言われて、オレが情けない一言を言わされて終了するパターンが非常に多い。
「……タネはないけどさ。」
それを言っちゃあおしめえよ!と言い返したいけど、実際、どうしようもないから言い返せない。元々私達は、この街の人間は、【略】。だったら結婚して子どもを貰ったらいいじゃん。愛する愛さないってのは血の繋がりとかじゃないでしょ!っと言いたくなるけど……まだユラには言ったことない。ただ、言い返せないけど自分の気持ちの中で確実に分かるのは……。
「じゃあさ、これだけは分かってよ。結婚とか、子どもとか、言っているのは……一緒になりたいんだ。つまり、愛してる、愛してるんだ。」
ユラが好きだったらそれで、それだけで良いのかも知れない。だけど一緒にいるだけじゃあ足りなくて。子どもをダシに使っているみたいだけど、よく分からないけど……私のこういう気持ちって、ちゃんとユラに伝わっているのかな?時々不安になる。
面白【略】。マジでユラが死ぬんじゃないか?と思った。ユラは窓の外を眺めている。気分はユーラ、ユラって感じかな。なんちゃって。私は夢うつつにボンヤリと考えていた。区役所で会った男は何だったんだろう。また店に来るって言ってたっけ。
ユラが短く息をするのが聞こえる。何か思い悩んでいる?そんな風に思うと、【略】替えの電池はどこにしまったっけ?どこだったかなぁ……。窓の外の7本のエスカレーターのうちの1本も【略】。
「……タネはないけどさ。」
それを言っちゃあおしめえよ!と言い返したいけど、実際、どうしようもないから言い返せない。元々私達は、この街の人間は、【略】。だったら結婚して子どもを貰ったらいいじゃん。愛する愛さないってのは血の繋がりとかじゃないでしょ!っと言いたくなるけど……まだユラには言ったことない。ただ、言い返せないけど自分の気持ちの中で確実に分かるのは……。
「じゃあさ、これだけは分かってよ。結婚とか、子どもとか、言っているのは……一緒になりたいんだ。つまり、愛してる、愛してるんだ。」
ユラが好きだったらそれで、それだけで良いのかも知れない。だけど一緒にいるだけじゃあ足りなくて。子どもをダシに使っているみたいだけど、よく分からないけど……私のこういう気持ちって、ちゃんとユラに伝わっているのかな?時々不安になる。
面白【略】。マジでユラが死ぬんじゃないか?と思った。ユラは窓の外を眺めている。気分はユーラ、ユラって感じかな。なんちゃって。私は夢うつつにボンヤリと考えていた。区役所で会った男は何だったんだろう。また店に来るって言ってたっけ。
ユラが短く息をするのが聞こえる。何か思い悩んでいる?そんな風に思うと、【略】替えの電池はどこにしまったっけ?どこだったかなぁ……。窓の外の7本のエスカレーターのうちの1本も【略】。
5「空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。」
4.
ユラの仕事が終わる頃に店に向かう。街のケバケバしい騒々しいネオンは消えていた。空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。ビルの窓からところどころ光が漏れていた。真っ暗じゃあなくても薄暗さは、少しはこの街の汚さを隠してくれる。道端に転がっているヤツは……げ、死体か。明日、店に運ばれてくるかね。もう腐ってたらそのまま処分場に持っていかれるかも?焼かれてお湯を温めて肥料になるのかも。
「ありがとね。」
ユラはそっけなく言う。本当にありがとうって思っているのだろうか?ユラは女の子っぽいヤツだから、夜道とか苦手そうだけど。
「もうちょっと最後の方にしたら良かったかな。順番。」
まぁ、おかげで区役所とかに寄れた訳だけど。
「何してたの?」
「家でぼーっとしてたよ。寝てた。」
なぜか小さなウソをついていた。照れ臭いからかな。頭をポリポリとかきながら、左手は上着のポケットに突っ込む。
「ふーん。どっち?」
上目遣いで下から覗き込んでくる。ああ、やっぱりこういう表情がたまらなく好き。
「私、結婚とかしないからね。」
「ええ!?」
……いかん。また高い声が出た。声に、喉に引っ張られてカカトも浮かんだ。いかん。少し間をおいて切り返す。
「……でもさ。オレ達、もう、ずいぶん一緒に住んでいるからさ。そろそろ。」
「別に形にコダワラなくていいじゃん。」
ユラの仕事が終わる頃に店に向かう。街のケバケバしい騒々しいネオンは消えていた。空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。ビルの窓からところどころ光が漏れていた。真っ暗じゃあなくても薄暗さは、少しはこの街の汚さを隠してくれる。道端に転がっているヤツは……げ、死体か。明日、店に運ばれてくるかね。もう腐ってたらそのまま処分場に持っていかれるかも?焼かれてお湯を温めて肥料になるのかも。
「ありがとね。」
ユラはそっけなく言う。本当にありがとうって思っているのだろうか?ユラは女の子っぽいヤツだから、夜道とか苦手そうだけど。
「もうちょっと最後の方にしたら良かったかな。順番。」
まぁ、おかげで区役所とかに寄れた訳だけど。
「何してたの?」
「家でぼーっとしてたよ。寝てた。」
なぜか小さなウソをついていた。照れ臭いからかな。頭をポリポリとかきながら、左手は上着のポケットに突っ込む。
「ふーん。どっち?」
上目遣いで下から覗き込んでくる。ああ、やっぱりこういう表情がたまらなく好き。
「私、結婚とかしないからね。」
「ええ!?」
……いかん。また高い声が出た。声に、喉に引っ張られてカカトも浮かんだ。いかん。少し間をおいて切り返す。
「……でもさ。オレ達、もう、ずいぶん一緒に住んでいるからさ。そろそろ。」
「別に形にコダワラなくていいじゃん。」
4「区役所についた時は夜の礼拝の時間だったみたいで、その場にいる人らは皆して床にひざまずいていた。」
3.
だったら役所にでも行くかね。ユラは全然首を縦に振らなくて、いつも書類を捨ててしまうけど、カタチって大事だと思うんだけどな。せめて。捨てられてもいいように二枚貰っておこうかな。
ちょうど区役所についた時は夜の礼拝の時間だったみたいで、その場にいる人らは皆して床にひざまずいていた。職員もイスから降りて礼拝している。私はそこまでじゃあないけど、神妙な顔をしておく。筆記コーナーにリーフレットがおいてあった。
『いわく、我々は、空にて生まれ、地に落ちた。
いわく、いつの日か、空に帰るために、我々は尊くあらねばならない。
いわく、大いなる意思、海、母胎樹に還ることが……。』
この教義は好きだけどね。心が温まる……というか。スピーカーからはリーフレットと同じ内容が放送されている。ありがたいお経です。いわく、いわく……気がつくと私もひざまずいていた。
受付の不美人な職員に「またですか?」という顔をされて、婚姻届を渡される。ダブルをリクエストすると却下された。一緒になんやかんやチラシを渡される。ゴミの日とか納税がどうとか。用も済んだし家に帰ろうとした時に変な男に呼び止められた。
「君、肉屋の鶫さんだね?」
「そうだけど?あんたは?」
「私はiraの組合長をやっている者だが。」
「あ、そう。仕事の話なら、また。もうヒケてるんでね。あと、『鶫さん』はやめてもらえないかな?あんまり好きじゃなくてね。」
「それは申し訳なかった。じゃあ、また仕事中に行かせてもらうよ。」
「悪いね。合い挽きミンチならオマケできるから。」
「あいにくベジタリアンなんだ。」
「あ、そう。」
変な男は変な笑みを浮かべて去っていった。迷彩柄のいかつい服にベレー帽。張り付いたような笑顔。怪しい。なんだあいつわ。さて、帰って一眠りするかな。その前に『【略】』にでも寄って行くかな。何か新作が出ているかも?
だったら役所にでも行くかね。ユラは全然首を縦に振らなくて、いつも書類を捨ててしまうけど、カタチって大事だと思うんだけどな。せめて。捨てられてもいいように二枚貰っておこうかな。
ちょうど区役所についた時は夜の礼拝の時間だったみたいで、その場にいる人らは皆して床にひざまずいていた。職員もイスから降りて礼拝している。私はそこまでじゃあないけど、神妙な顔をしておく。筆記コーナーにリーフレットがおいてあった。
『いわく、我々は、空にて生まれ、地に落ちた。
いわく、いつの日か、空に帰るために、我々は尊くあらねばならない。
いわく、大いなる意思、海、母胎樹に還ることが……。』
この教義は好きだけどね。心が温まる……というか。スピーカーからはリーフレットと同じ内容が放送されている。ありがたいお経です。いわく、いわく……気がつくと私もひざまずいていた。
受付の不美人な職員に「またですか?」という顔をされて、婚姻届を渡される。ダブルをリクエストすると却下された。一緒になんやかんやチラシを渡される。ゴミの日とか納税がどうとか。用も済んだし家に帰ろうとした時に変な男に呼び止められた。
「君、肉屋の鶫さんだね?」
「そうだけど?あんたは?」
「私はiraの組合長をやっている者だが。」
「あ、そう。仕事の話なら、また。もうヒケてるんでね。あと、『鶫さん』はやめてもらえないかな?あんまり好きじゃなくてね。」
「それは申し訳なかった。じゃあ、また仕事中に行かせてもらうよ。」
「悪いね。合い挽きミンチならオマケできるから。」
「あいにくベジタリアンなんだ。」
「あ、そう。」
変な男は変な笑みを浮かべて去っていった。迷彩柄のいかつい服にベレー帽。張り付いたような笑顔。怪しい。なんだあいつわ。さて、帰って一眠りするかな。その前に『【略】』にでも寄って行くかな。何か新作が出ているかも?
3「ユラはオレを三畳にも満たない部屋に招き入れた。」
2.
ユラはオレを三畳にも満たない部屋に招き入れた。アメニティなんかもキレイだが、ほんの三、四十分前には【略】する。
「で、今日はどうなさいますぅ?」
【略】
「あれ?そうだっけ?」
「……先月ね。事件があってね。殺されちゃったの。」
じゃあ、店に入る時にボディチェックでもしろよ!と思ったけど、パンクな店長はズボラらしい。
「あ、そう。じゃあ普通のコースでお願いしまーす。」
「ハイ、ハーイ。」
「『はい』は一回でよろしい。」
「は~い。ご主人様ぁ。」
ユラはオレの体と自分の体を【略】私も、【略】……。
「何か今、失礼なこと考えてない?」
「いや、全然!【略】」
……不味い、声が高くなった。いかんいかん。こういう時はどうしてもね。開放感というか。【略】。恋人のどこが好き?全部好き?全部ってならどこまで?【略】。皮の下の骨も内臓も筋肉も【略】も全部?そんなふざけたQ&Aもあるけど、この世界において男と女、男と男、女と女、自分と他人……全てが無意味?【略】。だとしたらなお心が好きなのか?【略】。ただ、今まで出会った男どもはロクでなし【略】……というのもあるけれど、それでもそれが何の意味があるのか……。
「どうしたの?考え事?ボーっとしてるよ?」
「ん。ちょっとね。」
ふと我に返り、【略】。
「ちょ、ちょちょ、急に、強い……。」
そうそう。ユラのこの泣きそうな顔。これは、たまらなく好きだな。【略】。ブザーっとブザーがなる。タイムリミット。
「はーい。終了でーす。」
【略】
「あ、そう。」
ユラに促されて店を出る。ホコホコと体は暖かくなったが、街の様子は変わらず陰気臭かった。ネオンがチカチカしていて、酔っ払いやらゴロツキがフラフラと歩いていた。明日はどっちだ?お前達よ。なんつって。
ユラはオレを三畳にも満たない部屋に招き入れた。アメニティなんかもキレイだが、ほんの三、四十分前には【略】する。
「で、今日はどうなさいますぅ?」
【略】
「あれ?そうだっけ?」
「……先月ね。事件があってね。殺されちゃったの。」
じゃあ、店に入る時にボディチェックでもしろよ!と思ったけど、パンクな店長はズボラらしい。
「あ、そう。じゃあ普通のコースでお願いしまーす。」
「ハイ、ハーイ。」
「『はい』は一回でよろしい。」
「は~い。ご主人様ぁ。」
ユラはオレの体と自分の体を【略】私も、【略】……。
「何か今、失礼なこと考えてない?」
「いや、全然!【略】」
……不味い、声が高くなった。いかんいかん。こういう時はどうしてもね。開放感というか。【略】。恋人のどこが好き?全部好き?全部ってならどこまで?【略】。皮の下の骨も内臓も筋肉も【略】も全部?そんなふざけたQ&Aもあるけど、この世界において男と女、男と男、女と女、自分と他人……全てが無意味?【略】。だとしたらなお心が好きなのか?【略】。ただ、今まで出会った男どもはロクでなし【略】……というのもあるけれど、それでもそれが何の意味があるのか……。
「どうしたの?考え事?ボーっとしてるよ?」
「ん。ちょっとね。」
ふと我に返り、【略】。
「ちょ、ちょちょ、急に、強い……。」
そうそう。ユラのこの泣きそうな顔。これは、たまらなく好きだな。【略】。ブザーっとブザーがなる。タイムリミット。
「はーい。終了でーす。」
【略】
「あ、そう。」
ユラに促されて店を出る。ホコホコと体は暖かくなったが、街の様子は変わらず陰気臭かった。ネオンがチカチカしていて、酔っ払いやらゴロツキがフラフラと歩いていた。明日はどっちだ?お前達よ。なんつって。
2「今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。」
そんなこんなで肉によってさばき方を変えて、同じように手を動かして包丁を使っていると、なんだかんだで定時になる楽しいお仕事。あれ?これルーチンワークかな?
今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。オレの働いている労働の区画iraを抜けて、歓楽街のluxuriaに向かう。この街は七つに区分されていて、それぞれにそれっぽい名前がついている。……人類は罪深い。盲目の羊と七本の十字架がなんたらかんたら……という設定があったけど、詳しいことは忘れた。
ともあれお気に入りの【略】店『【略】』に到着。錆びててボロっちいネオンがケバケバしい。いつもの通り指名をして時間まで待つ三十分。今は誰かとプレイ中かな。別にいいけどね。折角だから変なオプションをつけてやる。壁に並んだボタンを押す。少しして、ブザーがブザーと鳴って3番の個室に通される。
「お帰りなさいませー。」
オプション通りの格好。吹き出しそうになる。それを察してかケゲンそうな顔をする。
「……あんたなら、うちでタダで【略】。」
もう知っているかも知れないけど。知ってた?この子がオレの恋人にして【略】のユーラ。家で【略】オトコ心を分かってくんねェかなぁ。
「はいはい。今日は、お客様としてね。」
声に出してないのに通じている?ユラのこういうところが、たまらなく好きだ。体に【略】、すいっとかわされてしまった。
今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。オレの働いている労働の区画iraを抜けて、歓楽街のluxuriaに向かう。この街は七つに区分されていて、それぞれにそれっぽい名前がついている。……人類は罪深い。盲目の羊と七本の十字架がなんたらかんたら……という設定があったけど、詳しいことは忘れた。
ともあれお気に入りの【略】店『【略】』に到着。錆びててボロっちいネオンがケバケバしい。いつもの通り指名をして時間まで待つ三十分。今は誰かとプレイ中かな。別にいいけどね。折角だから変なオプションをつけてやる。壁に並んだボタンを押す。少しして、ブザーがブザーと鳴って3番の個室に通される。
「お帰りなさいませー。」
オプション通りの格好。吹き出しそうになる。それを察してかケゲンそうな顔をする。
「……あんたなら、うちでタダで【略】。」
もう知っているかも知れないけど。知ってた?この子がオレの恋人にして【略】のユーラ。家で【略】オトコ心を分かってくんねェかなぁ。
「はいはい。今日は、お客様としてね。」
声に出してないのに通じている?ユラのこういうところが、たまらなく好きだ。体に【略】、すいっとかわされてしまった。
1「天使様達がこの世界を変えようと宇宙で闘われたらしい。」
0.
昔々、天使様達がこの世界を変えようと宇宙で闘われたらしい。そして世界は一度変わり、2千年たってまた元に戻ったらしい。元に戻ったって言ったって、昔のことを知らない私にとっては今が今。今日も明日も世界は腐っていて、腐った世界に産み落とされた私達は腐っているのかな。腐っていたのかな。もう一度、天使様がこの世界を取り戻されたら。天使になれたなら。
1.
正直な話、肉屋の仕事は楽しい。毎日決まったことをしているように思えるけど、皆が思うほどルーチンワークじゃあない。例えばブタをさばいたとしても、ブタによって筋肉や脂肪の付き方が違うし、内臓の粘りなんかは随分と違ったりする。後は奇形だったり、あるはずのモノがなかったりする。
ここには色んな肉がやってくる。外の農場では色んな肉を、いや、動物を飼っていて、ウシやブタに限らずカンガルーやコアラなんて変なのもいる。大昔の大昔はニワトリなんて肉も食べたそうだけど、オレは見たことがない。チョウルイ?は絶滅したそうだ。
でも、バラしていて一番楽しいのは【略】。最初はガチガチと怖かったけど、慣れてくると心がマヒした感じ。本当に色んな顔をしている。体型とか肉付きとか色々あるけど、やっぱり顔に目がいくよね。ここに運ばれてくるのは、できそこないのできそこない。犯罪者、思想犯、その予備軍が特に多いね。あの街に反する行動をしたヤツは特にヤバイ。だってバラす前にミンチになってる。あ、勿論、食わないよ。家畜のエサになるらしい。どうしても売ってくれ!って人はいるみたいだけど。残った骨は砕いて畑の肥料に。
昔々、天使様達がこの世界を変えようと宇宙で闘われたらしい。そして世界は一度変わり、2千年たってまた元に戻ったらしい。元に戻ったって言ったって、昔のことを知らない私にとっては今が今。今日も明日も世界は腐っていて、腐った世界に産み落とされた私達は腐っているのかな。腐っていたのかな。もう一度、天使様がこの世界を取り戻されたら。天使になれたなら。
1.
正直な話、肉屋の仕事は楽しい。毎日決まったことをしているように思えるけど、皆が思うほどルーチンワークじゃあない。例えばブタをさばいたとしても、ブタによって筋肉や脂肪の付き方が違うし、内臓の粘りなんかは随分と違ったりする。後は奇形だったり、あるはずのモノがなかったりする。
ここには色んな肉がやってくる。外の農場では色んな肉を、いや、動物を飼っていて、ウシやブタに限らずカンガルーやコアラなんて変なのもいる。大昔の大昔はニワトリなんて肉も食べたそうだけど、オレは見たことがない。チョウルイ?は絶滅したそうだ。
でも、バラしていて一番楽しいのは【略】。最初はガチガチと怖かったけど、慣れてくると心がマヒした感じ。本当に色んな顔をしている。体型とか肉付きとか色々あるけど、やっぱり顔に目がいくよね。ここに運ばれてくるのは、できそこないのできそこない。犯罪者、思想犯、その予備軍が特に多いね。あの街に反する行動をしたヤツは特にヤバイ。だってバラす前にミンチになってる。あ、勿論、食わないよ。家畜のエサになるらしい。どうしても売ってくれ!って人はいるみたいだけど。残った骨は砕いて畑の肥料に。
登録:
投稿 (Atom)
ブログ アーカイブ
-
▼
2014
(14)
-
▼
2月
(14)
- 14「帰ってくるさ。また会えるさ。」試し読み終了
- 13「情けないけど死にたくない。」
- 12「全然そんなの無視して、見ないようにして生きていくのもできたのじゃないだろーか。」
- 11「精神が、魂も空に上っていくとするならば、もうあの街に届いているかも。」
- 10「捨てたモノの中に宝物が混じっているように、この街の人間にもチャンスが残されている。」
- 9「 私達の心には闇がある。」
- 8「一度は否定しても、胸の中に湧き上がってくる感情が、その否定を否定する。」
- 7「同じく肉は食べられないヤツでも、今度は普通のベジタリアンが現れた。」
- 6「愛する愛さないってのは血の繋がりとかじゃないでしょ!」
- 5「空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。」
- 4「区役所についた時は夜の礼拝の時間だったみたいで、その場にいる人らは皆して床にひざまずいていた。」
- 3「ユラはオレを三畳にも満たない部屋に招き入れた。」
- 2「今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。」
- 1「天使様達がこの世界を変えようと宇宙で闘われたらしい。」
-
▼
2月
(14)